「ビミョー。ペッタンコじゃん。ビミョー。無理。」
昼休憩になり飯を食べ終わると、さっきから俺の隣に居る大雅(たいが)がブツブツ言っていた。
「なぁ、お前さっきから何してんの?」
気になった俺は遂に大雅に問いかけた。
しかし、大雅から帰ってきた言葉は思いもよらないものだった。
「何って…可愛い子見極めてんだよ」
何でそんな当たり前の事を聞くんだ、とでも言いたげな顔でそう言う大雅。
俺はまさかそんな返事が来るとは思っていなかったので唖然とする。しかし、すぐに正気に戻って口を開いた。
「大雅…断言してやるよ」
俺は大雅の肩に手を置いて言った。
「お前は一生、彼女出来ねぇ!」
俺は眉を寄せながらストレートに言った。
途端、大雅は不快そうな顔をして噛み付いてくる。
「晃平(こうへい)にだけは言われたかねーよ!」
「あ!?んだと?」
俺も負けじと噛み付くが、俺と大雅の間に二人の影が割って入った。
「二人共やめろって」
「何だよ、邪魔すんなよ弘樹(ひろき)!」
俺と喋っていた勢いで弘樹にも噛み付く大雅。
「お前らって喋れば喧嘩ばっかだよなぁ」
俺の目の前でため息をつく隼人(はやと)。
「うっせーよ」
俺も大雅程ではないが、目の前の隼人に文句を言った。
「お前らイケメンなのに彼女が出来ないのは、その喧嘩のせいだろうなぁ」
弘樹が困った顔で言った。
お前だって十分イケメンの部類に入るだろ。心の中でそう思うが、口には出さない。
「ていうか、俺彼女とかいらねぇよ。
女とかめんどくさいだけじゃねぇの?泣けば許されるとか思ってるし」
これは姉と妹がいる俺にしか言えない苦言だ。女はホントにめんどくさい。
「晃平お前…あんなに綺麗な妹と姉を持ってるくせによく言うよなぁ」
隼人は呆れたようにため息を落とす。