「わぁーっ!最っ高!」
「柚希も早く来なよ!すっごい広いよ!」
「柚ちゃーん、早く早く〜」
凛華が叫んだ後に、優香と安澄が私を呼びかける。
私は、ビキニを着た三人のスタイルをマジマジと見た。
「何で皆そんなナイスバディなの…?」
上着を来た自身の体を抱くようにしながら、私は青い顔をした。
優香は赤を下地にした白のドットのビキニ。高い位置で括られたお団子とよく合っている。
安澄は柔らかい雰囲気によく似合った白のフリルのビキニ。ゆるいウェーブのかかったポニーテールとマッチしている。
凛華は、そこまで露出はしておらずお腹の三分の二が見える程のトップス。それでも魅力的に見えるのだからビキニだったら相当やばいだろう。
思ったそばから、周囲の男性陣の目は彼女達に釘付けだ。
私は水着の上に上着を着用して、体型を更に隠したスタイル。そして、私の髪はボブなので皆の優香や安澄のようにおしゃれな括り方は出来ず、サイドで括った。
私は俯きながら彼女達に着いて行った。
私達が来たプールは屋外と屋内両方があるが、荷物を置く場所は屋外の方にしかなく、迷った果てにお店の近くに座る事にした。
「日曜日だけど、そこまで人多くないね」
レジャーシートを敷きながら優香が言った。
「これから増えるんじゃないかな?私達開園と同時に入ったし」
優香の分の荷物も持った凛華が返事をする。
「じゃあ、少ないうちに思いっきり遊ばないとねぇ」
嬉しそうに飛び跳ねながら言う安澄。
「ねっ、柚ちゃん!」
突然安澄に同意を求められ、私はどもった。
「えっ、あ、あぁうんっ」
楽しみだなー、と背景にお花を飛ばす安澄を見て、私は思った。
そうだよね。せっかく来たんだから楽しまなきゃ。体型のこととか気にしてたら勿体無い。他人は他人、私は私!
胸の位置で拳を作った私は、それを空高く掲げて気持ちを切り替えた。