学校につくと百木君はいなかった。
放課後屋上に行くと百木君はいた。
「あ…百木君。」
「やっほー、高野さん、」
「ねぇ、百木君、透けてる…。」
「あぁ?これ?少しね、桜が散り始めたからだよ。」
「そんな…もう散り始めたの?…そうやって徐々に透けていって見えなくなるの…?」

「まぁ…そんな感じかな。」

「私、やだよ…百木君がみえなくなるなんて!ねぇ…どうすれば一緒にいられる?」

「…どうしても無理だよ、…はやく高野さんも好きな人見つけて、僕を忘れて。」

「その好きな人が百木君なんだよっ!
ねぇ、願い事、百木君とずっと一緒にいたい!願い事はこれ!」

「高野さん、それは無理だよ…。僕は消える運命なんだ。君と入れることはできないんだよ…。」

「そんな…だってどんな願いも叶えるって…!」

「できることなら僕だってそうしたいよ、気づいたら高野さんのこと好きになってた。でもね、僕達は結ばれちゃいけないんだよ、明日は風が強くなる。もしかしたら明日消えてしまうかもしれない。」

「そんな…!」

「高野さん、明日までに願い事決めてきてね。」

そう言った百木君は少し目に涙を貯めていた。