「この日記はね、ただの日記なの。由斗はこの日記に乗り移れなかった。でもさ、真奈、真奈が都市伝説好きだって覚えてたんだ、私。だから古本屋をやってるお母さんに頼んで噂を流してもらったの。呪いの日記のね。」

「てことは店長は由良の…」

「そうだよ、私のお母さん。ほんとにばかだね、そんなことにも気づかないなんて。私なんてちょっとメイクして名字が変わっただけなのに。まぁ、そのおかげでこの計画は上手くいったんだけど。」

「…で、どうしたいの?その日記に呪いなんてないんでしょ?わざわざ新しいページまで書き足して。私を怖がらせて復讐しようと思ったの?それは理解できるけど…なんで、爽太まで?」

「そんなの簡単じゃん。ムカついたから。私と由斗はこんなに傷ついたのに、あんたは幸せにしてるって。それに…幸也くんをそっちに引きずり込んだのはあんたでしょ?あんたのせいで…」

「あ、そういえばあんた、幸也のこと好きだったよね?確かに私がこっちに連れてきたよ、だって、幸也もあんたのこと好きだったから。だからちょーっと離れてもらおっかなって。その時は退屈で退屈でさー。…でもそれが爽太を殺した理由になると思ってんの?」