「……そんなところで、何しているの?」
そう、それは唐突だった。
あまりにも一瞬のことで、何が起きたのか理解するのに時間がかかってしまった。
今は授業中、のはずだ。
でも私、今話しかけられている……?
みんな授業を受けているから、ひとりになれると思って来たというのに。
やっと辿り着いた答えはどうやら正しかったようで。
「今は授業中だろう?
早く戻った方がいいんじゃないかな」
どこかで聞いたことのあるような、優しい口調。
でも声色は落ち着いている。
私、この人を知っている。
誰だろう。
どうしても確認したくなって振り向いた私の顔は、みるみる青くなっていったに違いない。
だって、そこには……。



