キミの音を聴きたくて



それと同時に。



「……やぁ、音中さん」



「えっ!?」



後ろから誰かに話しかけられ、背中がゾクッとした。




嘘でしょう?
この声は………振り返ると、後ろには予想通り天音先輩がいた。



後ろに誰かがいるなんて夢にも思わなかった。
錦戸くんもどうやら同じようで、驚いた顔をしている。



この人は、気配を消したり感情を隠したりする天才なのかもしれない。




「久しぶりだね。
あのときの “ デート ” 以来かな」



今の、絶対にわざとだ。
私の顔は確実に強ばっているに違いない。



隣に錦戸くんがいることをわかっていて、なおかつ “ デート ” と言う単語を強調したんだ。



……なんて意地悪な性格をしているんだろう。
この天音先輩は。