キミの音を聴きたくて



「大丈夫?
やっぱり、ライブは嫌だった?」



「まぁ……。
でも、心配しないで」



また曖昧に笑うと、錦戸くんは困ったような表情を浮かべる。



いくら心配しないで、と言っても、優しい彼のことだから気にかけてくれるに違いない。




きっと、私が音楽を嫌いだからライブをすることに反対していると思っているんだろう。



実際、音楽の授業をサボるときに『音痴だから』と言って断った。



確かに間違ってはいないけれど。
親切な彼にこれ以上心配をかけるのは気が引ける。





それからは文化祭のことには触れず、委員会の場所である会議室に着いた。



時間よりかなり前だからか、人はまばらで静か。
他の学年の人とはあまり顔を合わせたことがないから不思議な気分だ。



ふたりで顔を見合わせて席に着く。