キミの音を聴きたくて



「文化祭で何かしたいことがある人はいますか?」



錦戸くんの問いかけに、クラスメートは真剣な面持ちで悶々と考えているようだ。




黒板に文字を書きながら、私も考える。



よく本であるのは、メイドカフェとかだけれど。
このクラスのメンバーではそんなことをしそうな人はいない。



面白さを狙って中途半端なことをする人は少ないし、そんな格好をしたがる女子も少なそうだ。



何をするにしても、きっと私は裏方を希望すると思うけれど。




……と、考えてみたものの、クラスから意見は出ない。
私も錦戸くんも困り果てた、そのとき。




「ス、ステージを使うのはどうですかっ……!?」



クラスの引っ込み思案風女子がそんな提案をした。
彼女は、入学式の自己紹介のときに『ベースが得意』だと言っていた人だ。



ステージ?
使える場所が教室以外にもあることは知っていたけれど、意外だった。



先立って前に出ようとする人は、このクラスにいないと思っていたから。