キミの音を聴きたくて



「そうね。
音中さん、大丈夫かしら?」



確認のため聞いてくるけれど、これは私が引き受けないといけないような空気だ。
もうここから引くことはできないだろう。



先生でさえこんな雰囲気をつくり出すんだから、私はここで断ったらどうなるかわからない。




「……大丈夫、です」



あぁ、ほら。
やっぱり私は断れない。



本当に大丈夫なわけないでしょう?
でも、あの場面で「嫌だ」と一蹴できる人の方が少ないと思う。



場の空気に流されて、いつも自分の言いたいことが言えない。
だから、私の居場所はきっとどこにもない。




結局、男子は錦戸くん、女子は私が実行委員になった。






さっそく前に出て議事進行をしようとすると。



「俺が進めるから、音中さんは書いて?」



錦戸くんはこっそりと耳打ちを、助け舟を出してくれた。
そんな彼の気づかいにホッとする。



良かった。
みんなをまとめるのは得意ではないから。