「でも、天音先輩も……あからさまに態度に出ていますよ?
話したくない、って拒絶しているように見えます」



「……っ」




私の正直な言葉に、彼が息をのんだ音が聞こえた。
悔しそうに唇を噛み締めている。



ポーカーフェイス、としか言い表せない彼の心を読んだ人なんて、この世で限られているに違いない。



どんなに彼のことをよく見ていても、きっと心に影がある人しか悟ることはできないだろう。





彼が冷たいのは、もちろん私に対してだけではない。



生徒会長だから話しかけられることもよくあるだろうけれど。
私が見た限りでは、どれも鬱陶しそうにあしらっていた。



けれど、体も無意識のうちに拒絶しているのだと、今の私ならわかる。




そうやって、他の人の前ではいい人の皮を被って。
生徒会長なんていう大役まで受け持って。



本当の自分を隠しているんでしょう?
心の中では、ひとりで何かを抱えているんでしょう?