キミの音を聴きたくて



「あーもう!」



どうして私がこんなに乱されなきゃならないの?



関係のない会長に突っ込まれる義理なんてないのに。




こんなに悩んで、考えを巡らせていたって状況は変わらない。



それなら、もう。
行くしかないよね。





日々ちゃんにも相談できないまま土曜日を迎えたから、服はあまり考えずに選んだ。



張り切っているとは思われたくないけれど、会長の隣を歩く人として相応しい格好をしなきゃ。



そう思って、春らしいかぼちゃパンツと、白いキャミソールの上にピンクのカーディガンを羽織って家を出た。





日差しはあたたかい。
春らしい穏やかな太陽が輝いている。



風も少し吹いていて気持ちが良く、清々しい日だ。
けれど、心は最悪。



疑問と不安と心配。
それらがずっと心の中を巡っていた。