キミの音を聴きたくて



「別にいいけど……。
お前、疲れていないか?」



「え?」




先輩に会えるからと、普段は着ないゆるっとしたオシャレな服を着てきた。



髪の毛にも気をつかい、少しでも先輩と釣り合うように努力したつもりだ。




これはデートではない。



彼はもう前回のようにわざとらしく “ デート ” なんて言ったりはしない。



だってお互いの素性はもうわかってしまったんだから。
ふざけて笑い合える関係でもない。



それはわかっているけれど、ふたりで出かけるなんて慣れない。




「近くのカフェでも行くか?」



カフェ……。



そういえば、入学して間もない頃にも彼と出かけたことがあった。



そのときもカフェへ行ったから、先輩はカフェが好きなのかもしれない。