って、そんなわけないよね。
仮にも生徒会長なんだし。



私は苦手だけれど、かっこいいから他の人には人気がありそう。



もしかしたらファンクラブもあったりして……。
そう思ってしまうくらい、顔は整っている。



きっと充実した毎日を送っていて……。
私みたいな平凡な女子と今こうして一緒にいることがありえない話だよね。




「音中さんってさぁ」



「な、なんでしょう?」



間延びした声。
けれど、どこか芯があって心が揺さぶられる。




この人は、本当に不思議な人。



一瞬で私の心を読んだかのような目をして、核心をつくようなことを言う。



だからこそ、生徒会長なんて大役が務まるんだと思うけれど。