「いつもその優しさで、俺を包み込んでくれた。
本気で、好きだった……」



空を見上げながらひとり言のように展開されていく言葉。



ひとつひとつに重みがあって、全てを汲み取ろうとしてもわからない。



でも、それらにどんな気持ちが込められているのか、だいたい察しはつく。




「俺だって澄恋に会いたいんだよ!
でも、澄恋が命をかけてでも守ろうとしたのが、お前だ」



その言葉に、ハッと我に返る。



そう、私がお姉ちゃんの命を奪ったも同然。
だからこそ、彼は私を恨んでいる。



それは私だって同じ。
何度後悔しても悔やみきれない。




「……だから、迷ったら澄恋に会いに行け。
きっと望む答えをくれる」



ぶっきらぼうにそれだけ言うと、彼は立ち去ろうとする。