コンクールの結果は、散々だった。



ステージに上がって口を開いても、漏れるのは不規則な息だけ。



客席からは、どよめきの声が何度も聞こえてきた。



泣きたい気持ちを抑えて、ステージをあとにする。



泣きたかった。
苦しかった。



でも、そんなこと言っている場合じゃない。




ねぇ、どうして?



どうして声が出ないの?



お姉ちゃん、お姉ちゃん……。



助けてよ─────。






ひとりで列車に乗って、お母さんから聞いた病院へ向かうと。



そこには……。



白い布をかけられた、お姉ちゃんがいた。