お姉ちゃんに何があったのかはわからない。



それでも、私のせいで何かに巻き込まれたのは確かだ。




だから、私が歌わなきゃ。




誰も見てはいないけれど。



誰も聴いてはいないけれど。



お姉ちゃんのために、歌うんだ。




────『これからも私に、陽葵の自由な歌声を聴かせて?』



そう言って、背中を押してくれたから。



私の歌を楽しみにしてくれているから。




歌わなきゃ。



私の心の全てをさらけ出して歌うんだ。



だってお姉ちゃんは、私のせいで─────。