歌のコンクールが開かれて、私は家から離れたところへ行くことになった。
家からは列車で2時間くらいかかる。
それでも、家族は今回も応援に来てくれることになっている。
でも、お姉ちゃんはちょうど受験生。
勉強するために計画的に使える時間としては、夏休みはとても重要だ。
私とお母さん、お父さんは前日に着くように出発したけれど。
お姉ちゃんは勉強があるため、当日の朝に着く予定だった。
────でも、それからお姉ちゃんには会うことはなかった。
どんなに会いたくても、もう会えない。
一瞬たりとも顔を見られないところへ行ってしまった。
当日、コンクール会場で電話がかかってきた。
お母さん達は客席にいる。
不思議に思って出てみると、電話の相手はお姉ちゃんだった。



