お姉ちゃんの音中澄恋は、私の2つ上。
私は歌、お姉ちゃんはピアノ。
それぞれ好きなことは違ったものの、ふたりで合わせたりと仲は良かった。
私は3歳のときからカラオケ大会やコンクールに出て優勝して。
テレビには出なかったけれど、将来有望の歌手だと言われていた。
お姉ちゃんも同様に数々のピアノのコンクールで優勝。
小学校に上がる頃にはスカウトも多くなり、姉妹揃って注目されることが多くなった。
その度に誇らしかったことは、今でも覚えている。
家庭円満で才能にも恵まれていた私達。
あのできごとが起こったのは3年前。
お姉ちゃんが中学3年生、私が中学1年生のときだった。



