だけど ひとつの傘だけ 気になって見つめてしまった。 「…これ、着とけ。」 もちろんすぐに松本先生だってわかった。 1年生の頃から数学の授業を受けていたから。 だけど 隣の女の人に自分のジャケットを貸して 傘を大きく傾けて自分はびしょ濡れになってるのに そんなの全然気づいてないみたいに耳を赤くさせてる その'男の人'が気になって仕方がなかった。