「彼女いないからってひがんでんじゃないのー!」 「…」 私はパシッと翔太の背中を叩きながら憎まれ口をたたく。 いつもだったら必ず言い返してくるところなのになぜか翔太はだんまり。 心なしか翔太の背中が小さく見える。 「翔太?」 なんだか不安になって声をかけてみると、翔太は自転車をこぎながら言い出した。 「夏芽、昨日さ―」 「昨日?」 翔太が何を言いたいのかわからなくて黙って待つ。 だけど。