「...寒い」


20時。

先生との約束の時間。

辺りはもうすっかり暗くなって冷え込んできた。

同時に幸せそうに歩く恋人たちも観覧車目当てに集まってきた。


...だけど、先生は来ない。


「先生...はやく」


観覧車の下のベンチに座り、ひとり呟く。


先生のケータイに連絡を入れてみるけど

返事はない。


先生は絶対来てくれるって信じてるけど

時間が1分、また1分と経つにつれ不安が募る。