すると羽奈は小さく息を吸い

ゴシゴシと力強く目をこすって


「うん、ちゃんと向き合う。」


笑顔で言った。



「...ありがとう、司。

行ってきます!」


「行ってこい。」


走り出した羽奈の背中を見ながら俺も立ち上がる。


初めて羽奈の背中を押すことができた。

それは日野が俺の背中を押してくれたから。



「...早く、会いてぇな。」




俺は再び車を走らせた。