ギイ―、ギイ、 「はぁ、はぁ、」 公園につくと日も暮れて冷えてきたせいか 遊ぶ近所の子供たちの姿はなかった。 だけど、静かに金属がこすれるような音がして 歩き進むと 「...羽奈」 ブランコに座って俯く羽奈がいた。 俺はそっと羽奈の前にしゃがみこむ。 「羽奈」 「ぅ、ふ...ぇっ」 ポタポタと羽奈の涙が地面にこぼれて 砂が濃ゆく色づいていく。 「...っ司!」 羽奈はブランコを降りて俺にすがるように飛びついた。