先生は私の頭を優しくなでて

ふわっと私の肩に先生のジャケットをかけた。


「寒くなるだろうから、これ持ってろ。」


「ありがと...」


先生のニオイがする。

それだけで不安な気持ちが晴れていく。


「...じゃあ、行ってきます。」


「...うん。」




先生は私に背を向けて走って行った。

どんどん遠ざかっていく先生の後姿。

不安は残るけど

絶対、先生は来てくれるから。


「早く、戻ってきてね...」


私は先生のジャケットをぎゅうっと抱きしめた。