口にできない想いを伝えるかのように

先生をめいっぱい抱きしめる。


「日野...」


すると先生は私を抱きしめたまま


「待っててほしい。」


そう、言い出した。


「だから、待ってるって―」


「そうじゃなくて」


そして

惜しむようにゆっくりと体を離して私を見つめた。


「お前のもとに戻ってくるから。待っててほしい。」


「え―?」


「絶対、戻ってくるから。

...そんで、お前を待たせるの終わりにする。」