でも私


「待ってるって言ったでしょ?」


先生が私だけを見てくれるまで待ってるって

あきらめたりなんかしないって

決めたんだもん。


だから。


「行かないで、なんて言わないよ」


「...」


先生は黙って私を見つめる。

そして

ぎゅーっと私を抱きしめた。


「せ、せんせ」


「...っ」


耳元で先生の声にならない声が聞こえる。


...こんなに近くにいるのに

すぐに先生はいなくなってしまう。


離れたくない

離れたくないよ...っ。