先生にとってはほんの些細な出来事かもしれないけど 私は舞い上がったり沈んだり 全然些細なことなんかじゃないんだよ。 「…離して」 なんにも知らないくせに 「…行かなきゃ。」 知ろうともしてないくせに。 「翔太が待ってる」 私は先生から目をそらした。 その一瞬、私の腕をつかむ力が緩んで その隙に先生から離れて教室を出ようとした。