「なんだよ夏芽。シケた顔しやがって、気持ちわる!」


「...」


「おいおい、いつもの威勢はどうしたー?」


「...」


「まさかまだ寝ぼけてんのかー?」


翔太はきっと気づいてる。

私がどうして落ち込んでいるのか。


だからあえて私の泣きはらした顔を見ないようにして

いつも通り自転車をこいでいる。