…愛梨Side




「…でっ!どーする樹っ?」


休み時間。



樹が机に伏せて寝ているのも構わずに、詰め寄ってこんなことを言い続けるあたし。




「ん…、好きにして」


相変わらず冷たい、というよりも無関心な返事をあたしに返す彼。




「好きにしてって…、
樹は楽しみじゃないの?せっかくの夏祭りだよ?せっかくの花火大会だよ?」


とにかく質問攻めでそう言う。



それほどあたしがうるさかったのか、寝ていた樹も起き上がって、



「…どーせ嫌だって言っても無理でしょ?」


そう一言。



「じゃぁ、…いいってこと?やったね!!」


そう言ってあたしは足をバタバタとバタつかせて、樹に満面の笑みで笑い掛ける。




「…うん」


樹はそう短く返事をすると、そのまま再び机に伏せて寝始めてしまった。



これはもうあたしに構ってくれなそうだ…


そう思って後ろを振り返る、



…するとそこには、とてつもなく不機嫌な顔をしている美菜の姿があった。



ど、どうしたの…?


そう思っているうちにすぐ美菜と目が合う。



「あいりぃ〜!!
ちょっと聞いてっ!?本当に聞いて!?!?」


お、きた…



「…わ、分かった分かった!」