『今回は、見送った方が良いのではないでしょうか?』
 
 そうクリスに相談するが

『王はソニア様とお会いするのを楽しみにしていらっしゃいますよ。それに、この現象を相談する良い機会だと思いますが?』
 
 そう――今回は、生誕祭に出向くだけの目的ではない。
 
 この状況を改善するためにも、無茶を承知で王都へ行こうと考えを新たにした。

(クリス様のためにも早く解決させないと……)
 
 それにしても不思議だ。
 
 ――どうして、クリスだけに攻撃的な怪奇現象が起きるのだろう?

『嫉妬してる』
とクリスは言っていたけど、ソニアにはやはり違う意味があるように思う。

 それに――
(クリス様は良い方だと思うけど、恋とか愛とか、彼を見て想像出来ないわ)

 どちらかと言えば――『騎士』のような……強いて言ってくれと答えれば『兄』のような感覚だ。

(私が彼を想っているなら、クリス様の言ってる事は少しは……納得……する、かな?)