影が襲ってくる方向に二人揃って見上げると、木がこちらに倒れてきている。
「――えっ!」
「姫君!」
クリスはソニアを担ぎあげると、急いで横に逃げた。
重い地響きが鳴り、地面に倒れる落葉樹を見て
嫉妬だと図星をつかれて、照れているようですな」
しかし、大袈裟なと髭を擦るクリスを横目に
「『勘違いしてるんじゃない』と怒っているのかと私には感じますけど……」
と口端を歪めて笑う。
(楽天的すぎないかしら……?)
ソニアは、クリス自身に初めて不安を感じた。
「――あ」
突然クリスが、何かを思い出したのか髭を擦るのを止めてソニアと向き合う。
「そうだ。姫君にお尋ねしたいことがありました」
「何でしょう?」
「城の中にある礼拝堂の事で……」
「――えっ!」
「姫君!」
クリスはソニアを担ぎあげると、急いで横に逃げた。
重い地響きが鳴り、地面に倒れる落葉樹を見て
嫉妬だと図星をつかれて、照れているようですな」
しかし、大袈裟なと髭を擦るクリスを横目に
「『勘違いしてるんじゃない』と怒っているのかと私には感じますけど……」
と口端を歪めて笑う。
(楽天的すぎないかしら……?)
ソニアは、クリス自身に初めて不安を感じた。
「――あ」
突然クリスが、何かを思い出したのか髭を擦るのを止めてソニアと向き合う。
「そうだ。姫君にお尋ねしたいことがありました」
「何でしょう?」
「城の中にある礼拝堂の事で……」