「ソニア様、これで全部です」
「ありがとう」
長持ちで足の踏み場がなくなった自分の部屋を見渡して、ソニアは苦笑した。
長持ちの中には、亡き母の衣装や装飾類が保管されている。
「お母様は衣装持ちだったのね」
「ご実家から譲り受けた衣装や、ソニア様のお祖母様から頂いた物もございますからね」
侍女頭の言葉に、ソニアは懐かしむように頷く。
一ヶ月後の生誕祭に合わせて、幾つか衣装を揃えなくてはならない。
クレア家は古い家柄のせいか、歴史ある装飾品が揃っていて、衣装はそれに合わせて仕立てられることが多い。
代々付けている装飾品に、着ていた衣装をリメイクして現代風に整えて着るのだ。
そして現在の当主であるソニアに合わせた衣装に、リメイクしないとならない。
「痛んでいる部分や虫が食っている衣装は一つに纏めて。無事なのはこちらに」
侍女頭が指示を出す。
「色ごとに分けた方がいいですか?」
「そうですね、そうしましょう」
仕立て職人も一緒になって長持ちを開ける。
女性達は幾つになっても、どんな身分であっても色彩豊かで美しい衣装を見るのが好きだ。
皆、ワクワクしながら長持ちを開けた。
――だが、一瞬沈黙があり、それからざわざわと小波が押し寄せるようにざわめきが大きくなっていく。
ソニアも、開けた長持ちの中を見て呆然としていた。
「ありがとう」
長持ちで足の踏み場がなくなった自分の部屋を見渡して、ソニアは苦笑した。
長持ちの中には、亡き母の衣装や装飾類が保管されている。
「お母様は衣装持ちだったのね」
「ご実家から譲り受けた衣装や、ソニア様のお祖母様から頂いた物もございますからね」
侍女頭の言葉に、ソニアは懐かしむように頷く。
一ヶ月後の生誕祭に合わせて、幾つか衣装を揃えなくてはならない。
クレア家は古い家柄のせいか、歴史ある装飾品が揃っていて、衣装はそれに合わせて仕立てられることが多い。
代々付けている装飾品に、着ていた衣装をリメイクして現代風に整えて着るのだ。
そして現在の当主であるソニアに合わせた衣装に、リメイクしないとならない。
「痛んでいる部分や虫が食っている衣装は一つに纏めて。無事なのはこちらに」
侍女頭が指示を出す。
「色ごとに分けた方がいいですか?」
「そうですね、そうしましょう」
仕立て職人も一緒になって長持ちを開ける。
女性達は幾つになっても、どんな身分であっても色彩豊かで美しい衣装を見るのが好きだ。
皆、ワクワクしながら長持ちを開けた。
――だが、一瞬沈黙があり、それからざわざわと小波が押し寄せるようにざわめきが大きくなっていく。
ソニアも、開けた長持ちの中を見て呆然としていた。