クリスは、鳥が落ちていった場所を把握して馬を走らせる。
 
 茂みの中だと見当を付けて低木を掻き分けて行くと、見事、鳩が落ちていた。

「これはこれは……。良い夕食の材料になりそうだ」
 
 そう言いながら息絶えた鳩の両足を掴み、持ち上げて眉を潜めた。

「……随分と人相が、いや、鳥相が悪いな」
 
 鳩にも鳩なりの苦労があるのかも知れん、と一人納得してから鳩が引っかかった低木を見る。
 
 クリスは
「私は本当に強運な騎士なようだ。特にひもじい思いをしたことが無いことに関しては保証付きだな」
 
 木イチゴの群生を見て楽しそうに笑った。