◇◇◇◇
 
結婚式は、絢爛豪華であった。
 
中央教会と王家、それにクレア家が協力して組んで準備をしたのだから、そうなるのも当たり前だが。
 
クリスの実家、コルトー家は置いてけぼり感が拭えないものの、仕方ないと思っていた。
 
クリスは三男でコルトー家の財を継いでいない。要するに姓だけを受け継いでいるだけだ。
 
それでも、屈指の財産家のクレア家の婿養子に入るクリスのために、実家も出来る限りの結婚の準備をさせた。

「逆玉でも程度を考えろ」

と、長兄に溜息をつかれたクリスだった。
 
クリスも自分が騎士として働いて貯めた俸禄があるし、王がこっそりと援助をしてくれたお陰で体裁を整えることができた。

(しかし、これほどとはなあ……)
 
クレア城に向かう道に、ずっと続くパレード。

(いつ城に着いて、ゆっくりできるのだろう……)
 
隣に座ってニコニコと、幸せ一杯な表情で民達に手を振るソニアに気付かれないよう、欠伸を噛み殺した。

 



――一方、ソニアの方も