――なのに、嫉妬が後から後から湧き出て、止まらなかった。
 
 そんな自分が嫌で
 
 自分なんて呪われてしまえ!
 
 ――そう思った。
 
 流れてしまって、ソニアに知られたくなかった。

 

 パメラに抱き締められる。
 
 それは彼女自身の意志の力だと、ソニアは感じた。
 
 パメラの思いが彼女の身体から伝わった気がし、ソニアは更に強く彼女を抱く。

 <止めろ!  何をする!>
 
 パメラの背中から、虫が脱皮したかのように白い靄が現れた。
 
 その靄は、見た目重々しく個体に見える。

「パメラ! こっちへ!」
 
 ソニアは、急にぐったりと自分に寄り掛かるパメラを引き摺って行く。
 
 パメラも失いそうな意識の中で、懸命に足を動かす。

「ソニア様!」
 
 荒々しく扉が開き乗り込んできたのは、マチューと執事頭だった。