<なのに……なのに! 叔父が結婚を決めるために迎えに来たのよ! 本当にソニアが叔父に言い付けたのかと! その時、私、初めて貴女を憎んだ!>

「私……まだ、貴女の叔父とは会っていない……!」

 <ええ、それは勘違いだとすぐに分かった。……でもね、分かったのよ。私、貴女を憎んでいた、嫉妬していた。財を持っていて何もしなくても周囲から愛されて……! 同じ境遇なのに! どうして? どうして、貴女は恵まれているの? どうして私の方が不幸なの? だったらせめて愛している人と一緒に生きていきたいのに、どうして私は好きになれない人と一緒にならなくてはいけなくて、ソニアは好きになれそうな人と一緒になれるの? ――もう嫌よ!>
 
 苦しげに胸を押さえたままに俯いたパメラだったが、顔を上げてソニアに向けた時には、あの例の男の顔になっていた。

 <嫌よ、嫌よ! 自由に生きるの、心のままに生きるの……。愛されなくても良い。嫌われても良い。
心のままに貴女を憎んで嫉妬して――こ ろ す>