セヴラン本人も、相思相愛だと思っていた彼女の本音を聞いて、燃え尽きているが――自業自得だ。
 
 人より見目が大層よろしいセヴランは、小さい頃から母妃含む女性達に人気があり、それはもう甘やかされて育った。
 
 いつも女性達に囲まれて、チヤホヤされる日々。
 
 中にはやはり、というか邪な思いを抱く者がいるのは男女共である。
 
 早々に異性関係の楽しさを知ってしまったセヴラン。
 
 王が気付いて、そこら引き離しクリスの下で鍛え直しするにも、身が入らない。
 
 クリスから逃げ回り、博打と男狂いで悪名高いカトリーヌと恋仲になってしまった。
 
 ――女性は柔らかくて優しい存在
 
 ――女性は皆自分を崇拝し、たててくれる
 
 ――自分を好きにならない女性はいない
 
 今まで、セヴランが学んできた事。
 
 恋や女性には純粋な想いなのだろうが、反面疑うことをしない。
 
 女性の言葉を上っ面だけで取って信用してしまう。