――その時

「セヴラン様……」
 
 行き先を阻むように木陰から出てきたのはソニアで、セヴランは一瞬、息の根を止められた。
 
 かがり火の僅かな明かりの中でも、ソニアの色をなくした顔はよく分かった。
 
 そして顔色だけでなく表情も無くしていることに。