生誕祭二日目――
ようやく社交界デビューの挨拶を済ませたソニアの周りは、賑やかであった。
それはそうだろう。
ソニアは国内屈指の富裕家。
しかも、被後見人は国を治める国王。
後ろ楯は強力だし財はある。
しかも女主人であるソニアは、若くて可愛らしい。
まるで大輪の咲き始めのピンクの薔薇を連想させる初々しさだ。
最初、パメラと一緒にいたはずなのに、いつの間にか彼女がいなくなっていることに気付いた。
ソニアは愛想を振り撒きつつ、取り巻きと化した集団の中から脱け出そうとしたが、向こうも愛
想を見せながら付いてくる。
段々怖くなってきたソニアは、知らずにクリスの姿を探してハッと思い出す。
――今夜は所用があるとかで舞踏会に出席していないのだった。
ソニアは落ち込むより憤りを感じた。
(何よ、昨夜のことも言い訳も何も言ってこないし! 勝手に王太子妃と密会でも何でもしていれば良いんだわ)
ようやく社交界デビューの挨拶を済ませたソニアの周りは、賑やかであった。
それはそうだろう。
ソニアは国内屈指の富裕家。
しかも、被後見人は国を治める国王。
後ろ楯は強力だし財はある。
しかも女主人であるソニアは、若くて可愛らしい。
まるで大輪の咲き始めのピンクの薔薇を連想させる初々しさだ。
最初、パメラと一緒にいたはずなのに、いつの間にか彼女がいなくなっていることに気付いた。
ソニアは愛想を振り撒きつつ、取り巻きと化した集団の中から脱け出そうとしたが、向こうも愛
想を見せながら付いてくる。
段々怖くなってきたソニアは、知らずにクリスの姿を探してハッと思い出す。
――今夜は所用があるとかで舞踏会に出席していないのだった。
ソニアは落ち込むより憤りを感じた。
(何よ、昨夜のことも言い訳も何も言ってこないし! 勝手に王太子妃と密会でも何でもしていれば良いんだわ)