厳かな重厚音をたて観音扉が開かれる。
正面には十字架に聖母像がステンドグラスから差し込む光に彩られ、ソニアを迎え入れようと慈愛を込めて手を差し伸べてくれているように思えた。
パイプオルガンの清涼な音がとても心地好い。
赤い絨毯の先にいる教皇に向かって足を進めていく。
――が、近付いていくに従い足が重くなっていくことに気付き、ソニアは愕然とした。
「姫君?」
足を止めたソニアの異変にクリスが声をかける。
「あ、足が……! 進む度に重たくなっていって……!」
重い。重石を付けられたように。
とうとう一歩も前に進めなくなって、ソニアはその場にしゃがみこんでしまった。
「――これは、お可哀想に……」
事前に話を聞いていた教皇も、足早にソニアに近付いてくるが、彼も突然動かなくなってしまった。
「教皇!」
「あ、足が床にくっついて……!」
ウンウン言いながらどうにか床から足を浮かそうとしているが、吸い付いているようにびくともしないようだ。
「これは……!」
「むうぅ、邪な者が私とソニアが近付くことを邪魔したいようです」
教皇はまるでカブでも抜くように、己の足を引っ張りあげようとしているが、どうにもならないようだ。
対してソニアは足どころか身体全体が重くなっていっているようで、とうとううつ伏せになってしまった。
「仕方ない! とにかく教会から出ます!」
クリスは「失礼」とソニアの身体を抱き上げると、駆け足で教会から出て行った。
正面には十字架に聖母像がステンドグラスから差し込む光に彩られ、ソニアを迎え入れようと慈愛を込めて手を差し伸べてくれているように思えた。
パイプオルガンの清涼な音がとても心地好い。
赤い絨毯の先にいる教皇に向かって足を進めていく。
――が、近付いていくに従い足が重くなっていくことに気付き、ソニアは愕然とした。
「姫君?」
足を止めたソニアの異変にクリスが声をかける。
「あ、足が……! 進む度に重たくなっていって……!」
重い。重石を付けられたように。
とうとう一歩も前に進めなくなって、ソニアはその場にしゃがみこんでしまった。
「――これは、お可哀想に……」
事前に話を聞いていた教皇も、足早にソニアに近付いてくるが、彼も突然動かなくなってしまった。
「教皇!」
「あ、足が床にくっついて……!」
ウンウン言いながらどうにか床から足を浮かそうとしているが、吸い付いているようにびくともしないようだ。
「これは……!」
「むうぅ、邪な者が私とソニアが近付くことを邪魔したいようです」
教皇はまるでカブでも抜くように、己の足を引っ張りあげようとしているが、どうにもならないようだ。
対してソニアは足どころか身体全体が重くなっていっているようで、とうとううつ伏せになってしまった。
「仕方ない! とにかく教会から出ます!」
クリスは「失礼」とソニアの身体を抱き上げると、駆け足で教会から出て行った。