話してしまった。気付いた時にはもう遅かった。
仁登里が心配そうに見上げている。

「ごめん、こんな話……」

「いいえ、押し込めた感情にシンクは付け入ります。これからも、私でよければ聞きますよ」

誰にも言ってこなかった。私が運だけで、引き立て役になるために入ったと言うのは、入れなかった人に失礼だから。本当はわかっていた。自分だけは、自分の実力を認めないと。

「私、皆川さんの魔法好きですよ。他の人の長所も取り入れて、変わっていく魔法」

「ありがとう……あと、明莞徠でいいよ」

嫌いだと思っていた人が、私を一番理解してくれそうだ。
こんな奇跡もあるんだ。私が主力になる……なんてことがあってもおかしくない。

その時は、支援役が認められるようになっているはずだ。