「確かに全然食べてないよね」

好き嫌いが多いと話すケイタは、シーザーサラダも食べられないと言っていた。どうやらチーズが苦手らしい。


「俺、野菜ならやみつきキャベツでよかったのに。今あるメニューはあまり好きじゃないんだよね、ぶっちゃけ」

「あ、私も同じこと思っていた。シーザーサラダってビールに合わないよね」


ケイタがアキヨシからメニューを受け取り、私に差し出してくれた。

「食べたいもの食べて。遠慮してんじゃないの?」


その通り。本当は、シーザーサラダや生春巻きよりも、塩辛やモツ煮が食べたかった。

居酒屋とはいえ、一応合コンだ。おっさんくさい食べ物は場違いな気がして頼めなかったのだ。


「実は俺も、そういうのが食べたかったんだ」