Call my name !! 【短編】

事を終え、ケイタが冷蔵庫の麦茶を取り出してグラスに注ぐ。

「自分も飲む?」

あ、また呼び方が『自分』に戻ってる。私は首を振って「いらない」って答えた。


さっきケイタの口から聞いた『ユウナちゃん』。なんだか言わされている感があって面白かったな。

もう少し時間が経てば、きっと自分から名前を呼んでくれるんだろう。しょうがない、信じて待っててやるよ。


「あ、そうそう」

ケイタがすっぽんぽんのまま何か言いかけようとしてる。だんだんとケイタの顔が真っ赤になってきて目が泳ぎだした。


「……あのさあ、今度結婚情報誌、買っといてくれる?」


……ひょっとして今のはプロポーズですか?


やっぱりこいつ、どっかがズレてるんだよなぁ。


「ねえケイタ、もう一回名前呼んで?」


ケイタは口元を手で押さえながら、ミッキーみたいにハハッて笑うと真顔で私を見つめた。


「……『ユウナちゃん』」


……やっぱり、なんかが違うんだよなぁ。



        Call my name !! ―完―