本当は気づいていたのかもしれない。
完璧なものなどなく、彼女もそれに当てはまらないことは。
彼女の嘘は妄信のような愛により補整されていたのかもしれない。
気まぐれな彼女だ。
血に濡れた彼女だ。
優しい彼女だ。
偽りに塗れ、悪意に浸かり、優しさを踏みつけ、美を纏う。
彼女は天使か。
真実を吐き、善意に満ち、残忍さと妖艶さを宿した彼女の今の姿が真実なら私は、耐えられない。
愛しさも憎しみも
怒りも不安も悲しみも全てが黒が染めていく。
ただうつくしいだけの笑みを浮かべ慈愛の天使のような彼女は幻か。
偽りに溺れ嘘の化身のように残酷さと欲の塊のような本心、その姿は堪え難い。



