実は女子から逃げていた。
 ここ最近、噂のことだったり、髪を切った理由だったり、目が合えば聞かれまくる。ある意味、人気者。



 気分転換に外に出たら、男子がサッカーしていて交ざってしまったというわけ。
 多分、ストレスが溜まっていたんだと思う。



 でも、いつまでも逃げるわけにはいかない。雪乃にだけは、春真くんのことを話したい。
 日が経ってだいぶ落ち着いたし。それまで待っていてくれた雪乃に感謝だ。




「話していい? 雪乃」


「それをずっと待ってた」




 汗を拭きながら席に着くと、涼しい顔をした雪乃がニヤニヤしている。
 イヤラシイ顔をしているけれど、雪乃はやっぱり可愛い。女の子らしくて憧れる。