『ごめんなさい』




 こうやって謝罪するのは何度目だろうって思う。



 謝ったらみんな許してくれた。でも、深い付き合いをしてくれる友達はいなくなった。



 いつの間にか、僕は壁を作るようになっていた。
 それでも不自由ではなかったし、それなりに楽しい生活を送れていたんだから構わない。



 でも。




『だって、好きだから!』




 夏海先輩は僕を好きだと言ってくれた。離れるわけではなく、距離を縮めようとしてくれた。



 それがどんなに嬉しかったか。