「夏海先輩は大丈夫でしたか?」


「え?」


「僕は夏海先輩みたいな美人な方と噂になって光栄ですけど。女性の方は気にしますよね、ホテル……なんて」




 私も光栄です。美人なんて言われたら興奮します。
 私よりも春真くんの方が美人……いや、可愛すぎなんですけど。




「やっぱり、傷つきますよね」




 黙ってしまった私に、春真くんは申し訳なさそうにする。



「全っ然大丈夫!」


「嘘ですよね」




 確かに、少しキレかけた。
 でも、春真くんに嫌われたことの方がショックで、噂なんて後回しだったから嘘ではないと思う。