カツアゲされたと思い込んだその人から、まさかラーメン代を返されるなんて予想外だったと、春真くんは苦笑い。
そこでやっと気づいてもらえたことに、嬉しい反面、私は驚きだ。
「本当に僕ってダメだな」
「私こそ、勘違いさせてしまったから。そんなに落ち込まないで」
多いからと言って返されたお金。なんとなく温かくて、しばらくはお守りに置いておきたいくらい。
優しい気持ちを春真くんに貰って、やっと私も素直になれそう。
「そうだ。噂のことだけど、ごめんね。よく分からないけど、変なふうに伝わってるみたいで」
「僕がホテルに連れ込まれた、でしたっけ?」
正確には、彼女から奪ってホテルに連れ込んだ。



