春真くんの話だと、いつもなら言われたことを素直に信じるらしい。
 だけど、この時はあのヤンキーの件と私の財布忘れが重なって、みんなが悪い奴に思えてしまったのだとか。




「春真くんは本当に素直なんだ」


「それがいいんだか、悪いんだか」


「いいんじゃないかな。今回みたいな間違いはあるみたいだけど」




 そう言うと春真くんは項垂れた。




「お金を返してもらって、この人は優しいって思ったんです。全部繋がって……僕を助けてくれたし、ラーメン奢ろうとしてくれたし、ちゃんとお金を返してくれたし、僕が間違っていたんだって気づきました」