「……じゃあ、今から一緒に来てください」


「え?」




 やっぱり男の子だ。強い力で私の手を握って歩き出す。



 周りの目も気にしないで歩く春真くんのこと、初めてカッコイイと思った。



 1年生があふれる廊下を歩き続けて、私たちはかなり注目されている。



 噂のこともあるし、今更だけど私たちが2人でいるのを見られるのは良くない。でも春真くんは手を離さない。




「ねえ、春真……くん?」




 呼びかけても振り向いてはくれない。



 その手は握られたまま。
 春真くんは気づいているのだろうか。



 これが、恋人繋ぎだってことに……。